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中国大連で日本語を教えています。日本語を教えながら感じたこと、気づいたことなどを記します。


by nihongobaka
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載せる(のせる)と置く(おく)

先日、「載せる」という単語が出てきたとき、「置く」とどう違うのかと聞かれた。
そう言えば、どう違うのだろう・・・とっさに詳しくは答えられなかったが、
「載せる」は上に置くときのみ使って、下に置くときには使わないとだけ答えておいた。

「載せる」は「何かの上に置く」という意味であるのは間違いない。
「机に載せる」は机の上に置くことであって、「机の下に載せる」とは言わない。

では、「~に載せる」を「~の上に置く」と完全に置き換えられるかというとそうではない。

「車にサーフボードを載せて、海へ出かけた」(「置いて」は×)
「パンにチーズを載せて食べる」(「置いて」は×)

イメージ的には「置く」の場合はそこが定位置で、「載せる」の場合は一時的に
置いてあるだけという感じがする。そこで、辞書を引いてみた。

広辞苑によると、「載せる」とは
1.位置を移すために、運ぶ道具の上に人・荷物などを積む。
2.物の位置を何かの上に移す。
とある(3.以下はここでの意味とは関係ないので省略)。

ちなみに「置く」は
1.人や物などをあるところにとどめる。人をある位置にいさせる。
(2.以下省略)

やはり、「載せる」には置いたあと、さらに移動させるという前提があり、
「置く」はその場所から動かさないという意味を持っているようだ。
上記の例で「置く」が不適切なのは以上のような理由によるのだろう。

調べてみると簡単なことなのだが、これをとっさに答えられなかったのは
日本語教師としてまだまだ未熟だなと思う。
by nihongobaka | 2006-07-29 18:55 | ことば