中国大連で日本語を教えています。日本語を教えながら感じたこと、気づいたことなどを記します。


by nihongobaka
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日本語には特殊拍と呼ばれる音がある。すなわち、長音(伸ばす音)、撥音(「ん」)、促音(小さい「つ」)のことだが、これらの音は外国語にも音としては存在するはずだが、拍として認識されないため、日本語を学習する外国人にとっては聞き分けがとても難しい。

わたしが教えている学生たちにこれらの音が入った語を書かせると、これらの音の認識がいかにいい加減かよくわかる。「ビール」を「ビル」と書いたり、「ビル」を「ビール」と書いたりするのは日常茶飯事で、長音が二つ入っている語(「ハンバーガー」など)は、大抵、どちらかの長音(あるいはどちらも)が抜ける。

撥音と長音の間違いも多く、「結婚」をひらがなで書かせると「けっこう」と書く学生がかなりいる。「健康のために、何をしていますか」と聞いたとき、全員が「結婚のために、何をしていますか」と聞かれたと勘違いした。これは、特殊拍の聞き分けが正確にできないのに加え、「結婚」のほうが「健康」より彼らにとってなじみのある言葉(「結婚」はずいぶん前に学習済みだが、「健康」は最近習った)であるためだろう。

日本人にとって中国語の声調や有気音、無気音の違いなどが難しいように、母国語にない概念というのは、相当勉強しても習得が難しい。
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by nihongobaka | 2006-08-29 17:13 | ことば

冥王星は惑星じゃない

Excite エキサイト : 社会ニュース
ネットのニュースで読みましたが、冥王星が惑星ではなくなったそうです。

今回、今まで曖昧だった「惑星」の定義がはっきり決まったそうで、それは、

(1)太陽を周回する
(2)自らの重力で球状となる
(3)軌道周辺で、圧倒的に支配的な天体

だそうです。

その結果、冥王星が惑星から外れたということだそうですが、とすると、理科の教科書だけではなく、辞書の説明も変える必要があるということでしょうか。手元の広辞苑では、

惑星:恒星の周囲を公転する星。太陽系では、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星などの総称。遊星。迷星。

となっています(ちなみに遊星と迷星について調べてみると、どちらも惑星のことだそうです)。やはり、辞書の表記も少し変える必要があるようです。

さらにおもしろいと思ったのは、ディズニーキャラクターのプルートはアメリカで冥王星が発見された年(1930年)に発表されたので、冥王星(英語でPluto)にちなんで名付けられたということ。なぜこの星がPluto(ローマ神話の冥界の神)と名付けられたのかは知りませんが、それを犬の名前にしてしまうとは・・・

それにしても、子供のころから慣れ親しんできた「水金地火木土天海冥」が変わってしまうとは驚きです。科学の進歩とはそういうもので、新しい発見があれば、今までの常識が覆される可能性もあるわけです。話は少しずれますが、恐竜のT-rexもわたしの子供のころの図鑑にはゴジラのように立った姿で描かれていましたが、今では頭を前に突き出した形で描かれていますね。

学校で勉強しなくなっても常に新しい知識を蓄えておかないと、自分の子供が知っていることと違うということになるかもしれませんね。
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by nihongobaka | 2006-08-26 00:02 | (いちおう)ことば

勉強しない学生 その2

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今日、春季コースの授業が終わった。以前にも書いたとおり、彼らの半分くらいはほとんど勉強しない学生だったので、わたしも厳しく接してきたが、なぜか彼らはわたしのことを気に入ってくれており、別れを惜しんでくれた。

勉強しないとは言っても、彼らは本当に気のいい若者だ。先生という立場で見れば、彼らはどうしようもない落ちこぼれだが、先生と生徒という立場を離れれば、彼らは好青年に思える。彼らのこれからの人生がすばらしいものになるよう願っているが、今の状態では日本へ行っても成功は望めない。

初級でつまづいているような学生は、そもそも語学の習得には向いていないのだから、日本留学はあきらめて、国内で自分に向いていることを探したほうがいいと思う。日本へ行くのは時間とお金の無駄だ。

そうは言っても、彼らの多くは中国の大学に進学できなかったから、日本留学を目指しているそうなので、このまま国内にいても明るい未来はないということなのだろう。

日本へ行って、大学へ行けず専門学校に進学することになっても、あるいはそれさえもかなわず、日本語学校だけ卒業して帰国することになっても、中国で大学に行かず就職するよりはいいということなのだろうか。

来週から新しい学生がやって来る。聞くと、ほとんどが高校を卒業したばかりだそうだ。また「進学失敗組」がほとんどのようなので、今から頭が痛い。
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by nihongobaka | 2006-08-25 18:03 | 学生たち

関西弁は中国語?

中国語には声調があるため、1拍語でも少し長めに発音されます。そのため、中国人が日本語の1拍語や語の中の1拍の部分を発音するとき、長めになる傾向があります。「図書館」を「とうしょうかん」と言ったり、「貯金」を「ちょうきん」と発音したりします。はっきりしたことはわかりませんが、どうもオ段の音が長音化しやすいようです。

日本語でも、関西弁では1拍語は長めに発音されます。しかも「声調(第三声以外)」?もあります。
以下に列挙してみます。

第一声
胃、鵜、尾、蚊、気、子、差、詩、死、地、血、戸、名、野、帆、身、藻

第二声
絵、木、酢、田、手、根、火、屁、目、矢、湯、輪

第四声
毛、背、歯

他にも1拍語はありますが、比較的よく使われるような言葉だけ挙げてみました。

これを少し学生に話すと、かなりウケました。
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by nihongobaka | 2006-08-18 14:46 | 言語

アクセント

わたしは関西人なので、普段話しているのは関西弁です。もちろん、授業のときは共通語を使っていますが、たまにアクセントがあやふやなときがあります。そのときはアクセント辞典を調べますが、わかっていても話すときに思わずまちがえてしまうものがあります。

たとえば、
・平板型の「厚い」が「暑い」と同じ中高型になる。
・尾高型の「2月」「4月」が「5月」「9月」と同じ頭高型になる。
などです。

ほかにも数字のアクセントは1ケタのときと2ケタのときで異なり、助数詞が着くとまた変化したりするので、とても難しいです。

学生たちにとってもアクセントは難しいようですが、中国語と違い、アクセントが違ったら意味がわからないということはほとんどないので、特に厳しく指導はしていません。
それでも、アクセントが違ったら、いくら文法的に正しい日本語を話しても、外国人の日本語になってしまうので、本当はアクセントの指導もしたいのですが、そこまでの時間的余裕がありません。
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by nihongobaka | 2006-08-17 13:57 | 言語

数学記号

数学記号(+、-、×、÷、=など)はある意味(文字ではないが)表意文字で、数字と同じく世界共通で、国によって読み方は違っても、見れば意味はわかる。

と、思っていた。今日までは・・・

わたしは説明のとき、たまに数学記号を使う。=(同じ)、<(より小さい)、>(より大きい)など、日本語で言うよりわかりやすいと思うからだ。

今日、もっとも少ないことを表す「は」(例:通勤に1時間かかる)を説明するために、「1時間≦」と書いたら、「その記号は日本のだ」と言われた。

中国では「小なりイコール」を表す記号は「≦」ではなく、「≤」だそうだ。
わたしはこの記号は初めて見たが、調べてみると、確かにこの記号もある。とすると、国際標準は「≤」で、「≦」は日本のものなのだろうか。残念ながら、「≦」が国際的に通用するものなのかどうかまではわからなかった。

世界共通だと思っていた数学記号でも国によって違いがあるとは・・・
これから数学記号を使うときには注意しようと思う。
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by nihongobaka | 2006-08-15 13:58 | ことば

ストレス

「ストレス」という言葉の概念を説明するのは難しい。そもそも日本語に訳せないから英語のまま使っているので、説明しにくいのは当然だが、先日、この言葉を学生たちが誤解していたので、説明しようとして困った。ちなみに教科書に出ている「ストレス」の訳は「疲労」。これでは、ただ疲れているという意味になってしまうので、学生たちが誤解するのも無理はない。とりあえず、「疲れている」と言っても、体ではなく心が疲れていることだ、と説明しておいた。

日中辞典で「ストレス」のほかの訳語がないか調べてみると、「(精神)緊張状態」というのがあった。このほうが、日本語の「ストレス」に近そうだ。

広辞苑で「ストレス」を引いてみると、医学用語として「種々の外部刺激が負担として働くとき、心身に生ずる機能変化」とあり、その下に「俗に精神的緊張をいう」とある。とすると、先ほどの中国語訳は正しかったわけだ。

さらに英英辞典を見てみると、次のように書いてあった。
Continuous feelings of worry about your work or personal life, that prevent you from relaxing
やはり、日本語に訳せない英語は英語で説明されるのが一番わかりやすい。

日本ではこの「ストレス」という言葉は(かぜや頭痛などと同じように)日常的に使われている。日本の社会ではストレスはごく当たり前のものだからだろう。では、中国語ではどうなのだろうか。中国の会社はほとんど残業がないし、日本の会社ほど時間にうるさくないし(少しくらい遅刻しても平気)、わたしが見ている限り、中国人はあまりストレスがないように見える。わたしも今の学校に移ってから、仕事でのストレスはほとんどなくなった。もちろん、ストレスは仕事だけが要因ではないが、町なかの中国人を見ても、皆表情がイキイキしていて、ストレスがあるようには見えない。日本で電車に乗ると、皆一様に疲れた顔をしているのとは明らかに違う。中国人でもまったくストレスがないということはないと思うが、日本ほど一般的な概念ではないのではなかろうか。
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by nihongobaka | 2006-08-11 13:59 | ことば

中国語学校の広告

わたしは今、中国語を習っています。週2回なのでなかなか上達しないなと思いながら通っていますが、先日の授業のとき、「学校の広告に載せるから、文章を書いて欲しい」と頼まれました。聞くと、わたしは理解もいいし、上達もとても早いからとのこと。

仕事が語学教師なので、文法は得意です。言葉を客観的に見て分析する能力もあると自負しています。そのため、中国語を勉強するときも文法は容易に理解できます。練習問題も大して難しくないので、教科書だけはどんどん先に進んでいます。

が、「理解できる」というのと「使える」というのは別問題で、「聞く」「話す」の練習が不足しているため、未だに中国人の会話を聞いてもほとんどわからないし、会話もほとんどできません。

先生はteacher's talkおよび語彙コントロールをしているので先生の言うことはよくわかるし、先生は外国人の変な発音にも慣れているので、わたしのたどたどしい中国語でも通じます。しかし、実践となると全然だめです。

まあ、それでもかなり読んでわかるようにはなったし、食堂やスーパーなどごく限られた場面ではあまり困らなくなりました。最初はただの「音」でしかなかったバスの中の放送も最近は「言葉」として耳に入ってくるようになりました。

以上のようなことは日本語を勉強している学生たちにとっても同じだと思います。教室の中だけでなく、いかに「実践」で使える日本語を身に付けさせるか、教師にとってひとつの課題です。
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by nihongobaka | 2006-08-02 19:30 | ことば以外の話題